2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウスES細胞および発生過程における反復配列様遺伝子ECAT11の機能解析
Project/Area Number |
08J06316
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩渕 久美子 Kyoto University, 物質-細胞統合システム, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ECAT11 / L1TD1 / ES細胞 / iPS細胞 |
Research Abstract |
●ECAT11欠失ES細胞に対するマイクロアレイ解析および変動因子に対するバイサルファイトシークエンシング法による解析およびChIP法によるヒストン修飾解析:樹立したECAT11欠失ES細胞3クローンのうち、マイクロアレイ解析ではすべてにおいてRhox遺伝子群の発現上昇が認められていたが、うちの2クローンでRhox遺伝子群プロモーター領域のメチル化異常を認めた。メチル化以外の発現変動原因があることも示唆されたため、ヒストンH3K9のメチル化およびアセチル化についてChIP法によって解析したが、この2つの修飾については変異型と野生型で差異がみられなかった。●ECAT11レスキュー実験:ECAT11領域を含むBACを用いて行った。ECATI1のレスキュー率と上記マイクロアレイ解析で変動した因子群の回復率の間に明確な相関性は確認できなかった。また、レスキュー株ではMILIの発現が上昇していることが確認された。●ECAT11ホモ変異マウスおよびヘテロ変異マウスのうち表現型異常のマウスについての解剖および透明骨格標本の観察:解剖所見としては、るいそう・脊椎の湾曲などが挙げられたが、それ以外に特徴的な異常は見られなかった。また、骨格標本でも、目立つ異常は確認できなかった。●ECAT11生体内局在の追跡:ECAT11遺伝子座にノックインしたEGFPの発現を追跡した。卵および受精直後は発現が見られず、胞胚期直前から頭部襞期頃まで全体で発現し続け、E10.5日頃に一度発現が消え、E12.5日目でEGFP光が前後肢および下顎と思われる部分で観察された。前後肢では指間にEGFPが局在していた。●RNA免疫沈降によるターゲットの探索:Myo5b、colllalおよびGdf6などの因子において濃縮がみられた。●ECAT11をマーカーとしたiPS細胞の作製:ECAT11は完全欠失の状態においてもES細胞マウスでほとんど異常が見られない。そこで、ECAT11自体が人工多能性幹細胞(iPSCs)識別マーカーとして利用できないかを検討するためECAT11ホモ変異MEFを用いてiPSCsの誘導および樹立を開始した。
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Research Products
(1 results)