2008 Fiscal Year Annual Research Report
サイズと表面状態を規定した金属クラスター触媒の合成法の開拓
Project/Area Number |
08J06320
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角山 寛規 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 金クラスター / 酸化触媒 / サイズ効果 / 空気酸化 / アルコール酸化 / ポリビニルピロリドン |
Research Abstract |
金属クラスターの触媒作用を分子レベルで理解していく上では、サイズおよび表面の結合状態や電子状態を明確にすることが必要である。本年は、1nm程度のポリマー保護金クラスターをサイズ選択的に合成する方法を開発し、アルコール酸化に対する触媒作用を対象として、クラスターの電子状態と活性の相関を明らかにした。マイクロミキサーを用いて、クラスター生成時の反応条件を微視的レベルで均一化することによって、これまで報告のない1.0nm程度のPVP保護金クラスターの合成に成功した。このクラスターは、通常のバッチ式の混合で得られていたもの(1.3nm)に比べ、約40%程度高い活性を示すことがわかった。さらに1〜4nmの金クラスターの電子状態を調べ、活性との相関について考察した結果、(1)ポリマーからの電子供与によってコアが負電荷を帯びること、(2)コアサイズが十分に小さく,供与された負電荷のエネルギー準位が高いことが触媒活性に重要であることがわかった。したがって高活性な触媒を得るためには、電子供与性の配位子の選定およびコアサイズを十分に小さくする必要があることがわかった。
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Research Products
(15 results)