2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の筋力トレーニング実施を促す地域介入手法の開発:行動疫学的アプローチ
Project/Area Number |
08J06333
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原田 和弘 Waseda University, スポーツ科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 筋力トレーニング / 高齢者 / 行動変容 / 気づき / 認識 / ヘルス・コミュニケーション / 無作為抽出 / 公衆衛生 |
Research Abstract |
生活習慣病予防および介護予防における筋力トレーニングの有効性は繰り返し指摘されているが、高齢者に対する筋力トレーニングの普及方策はほとんど検討されていない。本申請課題の目的は、高齢者の筋力トレーニング実施を促す地域介入手法を開発することであった。昨年度の形成的研究の成果を受け、本年度は、介入手法開発の第2段階として、定量的手法を用いて、地域高齢者における筋力トレーニングに対する気づき・認識の程度と、筋力トレーニングに関する行動変容との関連性を検証した。A県B市在住の60-74歳の中から無作為に抽出された2080名に対して、郵送法による質問紙調査を実施し、1244名から有効回答が得られた(59.8%)。主な質問項目は、筋力トレーニング行動の変容ステージ、筋力トレーニングの介護予防効果への気づき、筋力トレーニングに対する認識であった。人口統計学的変数を共変量とした共分散分析と多重比較により、変容ステージが前熟考期(筋力トレーニングに関心がない)の者は、他の変容ステージの者(筋力トレーニングに関心がある者や、実際に行っている者)と比較して、筋力トレーニングの介護予防効果に対する気づきの程度が低く、筋力トレーニングに対するネガティブな認識が強いことが示された。これらのことから、因果関係には言及できないものの、筋力トレーニングの介護予防効果に対する気づきを強化し、筋力トレーニングに対するネガティブな認識を払拭させることが、地域高齢者の筋力トレーニングに対する関心を高める介入手法として有効である可能性が示された。
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Research Products
(3 results)