2008 Fiscal Year Annual Research Report
事前学習モデルによる博物館学習を支援する学習教材の開発と評価
Project/Area Number |
08J06388
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
奥本 素子 The Graduate University for Advanced Studies, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 博物館 / 美術館 / 自立的展示鑑賞 / 博学連携 / 学習支援 / 生涯学習 |
Research Abstract |
本研究では、自立的な解釈の前提となる、展示のテーマ、見るポイント、作品間の関連性をあらかじめ学習させるととによって、展示室での自立的な展示解釈を支援するCognitive Orientation of Museum(通称COM)モデルを提案している。すでにCOMモデルにのっとって開発された教材の効果は実験によって検証されている。 本年度は、COMモデルの有効性の範囲を探り、新たな活用可能性を探るため、2つの教材を開発し、3回の実験を行った。 一つは小中学校の博学連携授業におけるCOM教材の活用研究である。本研究は、千葉県立美術館、千葉県教育センターの協力を得て、千葉県の小中学校向けのCOM教材の開発を行った。小中学校向けのCOM教材の開発のために、千葉県立美術館職員、千葉県教育センター職員、実際の小中学校の美術科教員と共に、小中学校の授業で活用できるCOM教材の在り方について会議を開催し、議論していった。その結果、小中学校向けには、導入部分は画像から入る、画像を大きくする、解説部分を簡単にし、興味関心を引くような呼びかけを入れる、などの改善案が出てきた。その改善案を元に、小中学校向けCOM教材を開発した。開発した教材は小学校と中学校の授業で利用し、美術館訪問に対する動機づけが高まる、美術館での鑑賞に対する肯定的な意見が増加する、といった効果が見られた。 二つ目に、COM教材を館内支援と連動させる館内外における連携的学習支援システムを開発した。国文学研究資料館の協力を経て、展示鑑賞前の事前学習用COM教材と展示鑑賞中に事前のCOM教材の学習を反映させた館内ナビゲーション教材の開発を行った。実験では、被験者に事前学習用COM教材を利用してもらい、その後館内ナビゲーション教材を利用してもらい、効果を検証した。その結果、館内ナビゲーション教材は展示鑑賞中の行動に沿って開発しなければならないという課題が見つかり、今後課題分析を行い、再開発を行う予定である。
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Research Products
(5 results)