2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質内におけるウイルス感染及び核酸認識機構の解明
Project/Area Number |
08J06391
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 亮子 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(CD1)
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Keywords | TRAF6 / RNAウイルス / RIG-I / インターフェロン / NF-kB / シグナル伝達 / プロモーター / アダプター |
Research Abstract |
ウイルス感染に対する生体防御は感染初期の自然免疫反応と、その後に誘導される獲得免疫反応の両者が協調して働くことによって行われる。RNAウイルス感染におけるウイルスの認識は細胞内受容体であるRetinoic acid-Inducible Gene-I(RIG-I)などによって担われ、特にI型IFNの産生は、自然免疫における抗ウイルス活性の中心的な役割を担っている。昨年度ウイルス誘導性I型IFN産生におけるTRAF6の役割について解析を行った。その結果TRAF6はRIG-I、IPS-1の下流に位置し、ウイルス感染におけるI型IFNの産生に重要な分子であることが示された。本年度はTRAF6のシグナル伝達に関連の深いTLRシグナルの制御機構について個体レベルでの機能解析を行った。cAMPはTLR4リガンドであるLPS刺激によって誘導されるTNFaやIL-12の発現を抑制し、その抑制効果はLPS+cAMPによって誘導されるc-Fosによって担われているを明らかにした。より生理的な条件下におけるcAMPによるLPSシグナル抑制機構を明らかにするため、安定化型c-Fosを樹状細胞で発現するトランスジェニックマウスを作製し、解析を行なった。トランスジェニックマウス由来BMDCでは、LPS刺激によるIL-12やTNFaなどの炎症性サイトカインの産生量及びmRNA量の減少がみられ、一方、抗炎症性サイトカインであるIL-10の産生量及びmRNA量の上昇が認められた。よってトランスジェニックマウスでは自己免疫疾患に対し病状の軽減が予想される。今後、個体レベルにおける、自己免疫疾患への影響について解析行なう予定である。
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Research Products
(2 results)