2008 Fiscal Year Annual Research Report
下肢三次元力学モデルを用いた人工膝関節の深屈曲運動解析
Project/Area Number |
08J06425
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
勝原 忠典 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 深屈曲対応型人工膝関節 / 下肢力学モデル / 深屈曲運動解析 |
Research Abstract |
本研究は,著者を含む研究グループが他機関・企業と共同開発中の正座可能な人工膝関節,Complete Flexion Knee(以下CFK)の性能評価を主目的として,複数の現用人工膝関節を比較対照としつつ大腿-膝蓋-脛骨の三要素を含んだ力学モデルによる運動・接触解析を行い,その結果を比較・検討したものである.正座可能な人工膝関節を開発するには,正座に至るまでの動作を解析し,その解析結果を人工膝関節の設計に反映させる必要がある.本研究では,下肢の運動を詳細に解析するために,初めて大腿-膝蓋関節および大腿-脛骨関節の2関節を含んだ力学モデルを開発し,これを用いた人工膝関節運動の数値シミュレーション解析を行ってきた.シミュレーションの利点は,パラメータを変化させることで様々な膝関節運動を再現でき,関節面接触状態および接触力を定量的に評価できることであり,FEM解析や摩耗試験における入力値として使用することができる点である.そこで,本研究では,力学モデルを用いた数値シミュレーションによるCFKの接触解析を行い,複数の現用人工膝関節とCFKの性能を比較検討することにした.現用人工膝関節との比較は,膝屈曲角度0°〜90°までの低〜高膝屈曲域において行った.その結果,CFKが現用人工膝関節の性能を満たすことを示した. また,深屈曲域における解析を行うため,スクワットからの立ち上がり(膝屈曲141°および126°)においてCFKの性能評価を行った,その結果,ポスト・カム間の接触圧や形状に検討すべき点を認めた.そこで,本研究ではこの結果からポスト・カム部の最適形状について提案を行った. 以上,本研究は,人工膝関節の動作解析手法として,大腿-膝蓋-脛骨の三要素を備えた総合的モデルを初めて構築し,正座可能な人工膝関節の開発についてその性能評価や設計案を提案したものである.
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Research Products
(2 results)