2009 Fiscal Year Annual Research Report
イネの湛水条件下における養水分吸収の分子機構の解明
Project/Area Number |
08J06503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 宏和 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / 耐湿性 / 養水分吸収 |
Research Abstract |
土壌が極度な低酸素状態に陥ると、土壌の還元化が進み、植物の生育に必要な必須栄養素の存在形態が変化することが知られている。そのため植物が低酸素状態で正常に生育するためには、養分形態の変化に応じた吸収機構が必要であると考えられる。日本で栽培が盛んなイネは、幼苗期に苗箱という好気的な条件で育成され、その後土壌が低酸素かつ還元化された水田へと移植される。それにも関わらず、イネは目立った障害も示さずに生育する。このことから、イネは根において好気と嫌気環境の双方に応じた養分吸収を行っていることが推測される。本研究ではイネの低酸素環境で変化する養水分吸収機構の解明を目的とした。 一昨年度は、低酸素に応答する養水分吸収関連遺伝子のスクリーニングのために44kイネオリゴDNAマイクロアレイまた、それと同時にRT-PCRによる再現性、経時的な遺伝子発現変動を見ると共に、Lasermicrodissection法を用いた局在解析を行った。そのため昨年度は、これら遺伝子発現、局在の再現性を確認することから開始した。その結果、一昨年度に低酸素及び局在を同定した16遺伝子については再現性が確認された。 次に2次スクリーニングとして、一昨年度同定した低酸素応答性の養水分関連遺伝子16系統のうち10系統について長期的な低酸素処理を施す事で、その表現形の観察を行った。しかしながら、これら遺伝子の遺伝子破壊系統において、低酸素条件下での野生型との間に顕著な差は見られなかった。本年度は、昨年用いなかった6系統及びTos17やT-DNA挿入系統がなかったため、作製したRNAiなどの形質転換体に関しても同様のスクリーニングを行い表現形の確認する予定である。
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Research Products
(2 results)