2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06525
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 大悟 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 抵抗 / ソニックブーム / 数値流体力学 / 逆問題設計法 / 超音速 / 複葉翼 / チョーク現象 |
Research Abstract |
本研究は超音速飛行特有の重要な課題である、抵抗・ソニックブームの大幅な低減を実現する超音速旅客機を提案することを目的としている。これまでに商用として運行した超音速旅客機としてはコンコルドが挙げられるが、本研究においては新たに複葉翼という概念を導入し、2枚翼間における空気力学的な波の干渉を利用することで、抵抗・ソニックブームの大幅な低減を図る。このコンセプトは1930年代にA.Busemannによって最初に提案され、その翼型を基に研究を進めている。研究の手順としては低抵抗の翼の設計後、低ブーム化コンセプトにのっとった胴体を考案し、全機形状モデルを作成して最終的な低ブーム・低抵抗の超音速旅客機を設計する。なお、巡航マッハ数は1.7としており、解析・設計には全て数値流体力学を用いている。 初年度においては低抵抗な翼の設計を行った。設計手法には逆問題設計法を用いている。これは、理想的な圧力分布を設計者側で決定し、それを実現する翼形状を設計することができるものである。この手法を用いて低抵抗を達成する圧力分布を設定し、その翼形状を決定する。巡航マッハ数においては、上記の設計法により、低抵抗な翼形状を設計することができた。しかし、超音速複葉翼は、設計点から外れた非常に広いマッハ数領域において、2枚翼間の波の干渉が崩れ、チョーク現象と呼ばれる抵抗が非常に高くなる現象が生じる。この現象の回避案として、通常航空機が離陸する際に使用する高揚力装置を応用し、最終的に離陸から巡航まで、低抵抗を実現する翼形状を提案することができた。
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Research Products
(3 results)