2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06525
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 大悟 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超音速旅客機 / Busemann複葉翼 / 空気力学 / 数値流体力学(CFD) / 造波抵抗 |
Research Abstract |
本研究は次世代航空機の実現を目指し、空気力学に基づて数値シミュレーションを行っている。次世代航空機に求められる要素としては、輸送料の増加に伴う高速化、燃費の削減である。前者においては現在の旅客機の巡航速度の約2倍である超音速旅客機を見越しており、巡航時間を大幅に低減することができる。しかしながら、超音速飛行をする際には大幅に抵抗が増大することとなり、後者の燃費削減とはトレードオフ関係となる。本研究の最も画期的な点は、複葉翼を採用することにより、この超音速飛行特有の多大な抵抗(造波抵抗)を大幅に低減させようというところである。この概念自体は今から70年以上前の1935年にドイツのBusemannによって既に提案されていたが(以下、Busemann複葉翼と呼ぶ)、実際の超音速機に採用されることはなかった。本研究は数値流体力学(CFD)を用いることによって、シミュレーションによりこの複葉型超音速旅客機の実現可能性を模索した。前年度までの研究においては、これまで2次元翼型で無揚力であったBusemann複葉翼に揚力を持たせ、かつ3次元翼形状に拡張を行った。また、巡航速度意外の領域では大幅に抵抗が増大することを確認し、その対策を講じることで、離陸から巡航まで抵抗を抑えられることを示した。本年度の研究においてはより将来的な航空機実現のための基礎研究として、胴体形状と複葉翼との干渉効果の検証を行った。翼単体においては、複葉の2枚翼間において適切な干渉が保たれるために造波抵抗を大幅に減少させることができる。ここでは、将来的に胴体に翼を取り付ける際に、その干渉効果がどのように影響されるのかを調べることを目的とした。その結果、胴体から生じる膨張波と複葉翼を干渉させることによって、複葉翼単体と比べてさらに抵抗が低減できることを示した。また、巡航速度領域外においても更なる改善が見られ、この干渉効果を利用することで、非常に低い抵抗領域をさらに広められることを示した。
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Research Products
(3 results)