2009 Fiscal Year Annual Research Report
曲面と基本群を用いた3次元多様体のトポロジーの研究
Project/Area Number |
08J06564
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
石原 海 Saitama University, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | トンネルのパラメータ / minimum step number |
Research Abstract |
トンネル数1の絡み目(結び目)はトンネルによって定義される.しかし,ある一つのトンネル数1の絡み目に対してそのトンネルは一意的に決まるとは限らない.そのためトンネルを全て決定することは大きな問題である.ChoとMcCulloughは全てのトンネルが有理数と0,1の列によって完全にパラメータ付けされることを示した.トンネルの研究では,twisted torus knotのあるトンネルのパラメータを求めた.また,この計算を用いてtwisted torus knotがtorus knotや2-bridge knotになる条件を導いた.この結果はトンネルのパラメータの応用の可能性を示している. 与えられた結び目をDNAやタンパク質で構成するのに,塩基対やアミノ酸による構成単位がどれだけ必要となるかが問題となっている.このタンパク質やDNAのモデルとして格子結び目を考えることが出来る.ある結び目のminimum step numberとは,その結び目を格子結び目で構成するのに必要なstepの本数の最小値である.これまでにDiaoによって三葉結び目のminimum step numberが24であること,山口氏によって8の字結び目のminimum step numberが30であることが示されている.Mariel Vazquez氏らとの共同研究で,一般の結び目のminimum step numberを決定するために,BFCAFアルゴリズムによるMonte-Carloシミュレーションや,理論的なアルゴリズムを研究した.またこの研究の続きとして,高さ1の格子の中に結び目を作るのにどれだけの長さが必要であるか考え,同様にその長さ決定の理論的アルゴリズムを研究している.
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Research Products
(5 results)