2008 Fiscal Year Annual Research Report
曲面と基本群を用いた3次元多様体のトポロジーの研究
Project/Area Number |
08J06564
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
石原 海 Saitama University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トンネル数1 / ヒーガード図式 / minimal step number / 有理タングル手術 / バンド手術 / DNA組み換え |
Research Abstract |
トンネル数1の絡み目(結び目)のトンネルに対応するヒーガード分解を表すヒーガード図式を用いることによって,与えられたトンネルのパラメータを求めるアルゴリズムを発見した.これにより,同じ絡み目に対応する二つのトンネルが同値であるかどうかがパラメータを求め比べることによって完全に判定可能になった. 与えられた結び目をDNAやタンパク質で構成するのに,塩基対やアミノ酸による構成単位がどれだけ必要となるかが問題となっている.このタンパク質やDNAのモデルとして格子結び目を考えることが出来る.minimal step numberとは,その結び目を格子結び目で構成するのに必要なstepの本数の最小値である.(2,5)トーラス結び目のminimal step numberが34であることを発表した.詳しい内容は執筆予定である.またMriel Vazquez氏らとの共同研究で,一般の結び目minimal step numberを決定するために,BFCAFアルゴリズムによるMonte-Carloシミュレーションや,理論的なアルゴリズムについて研究している. DNAの組み換えを行うXerシステムはDNAの特定の配列を認識し,その部位を取り込み,組み換えを行うBath-Sherratt-Colloms(1999,JMB)実験において,実際にどのような組み換えが起きているのかを,組み換えのモデルとして有理タングル手術を用いて数学的に考えた.下川航也氏,Isabel Darcy氏らとの共同研究でXerシステムによる組み換えがバンド手術に対応するという仮定と,2k+1交点の結び目が橋指数2で種数1の結び目であるという仮定のもとで考え,どのような組み換えが可能であるかを示した.
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Research Products
(5 results)