2008 Fiscal Year Annual Research Report
広域を対象とした地すべりの発生と降水量に関する地理情報学的研究
Project/Area Number |
08J06594
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
齋藤 仁 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地すべり・斜面崩壊 / 危険度評価 / GIS / 赤石山脈 / Decision tree / 斜面分割 / 平成20年8月末豪雨 / 土砂災害 |
Research Abstract |
研究目的のために、平成20年度に行った研究内容と研究実績は、以下のようにまとめられる。 1.大規模崩壊の発生危険度評価-赤石山脈を対象として- 赤石山脈の広域を対象とし、Decision-tree modelを用いた、大規模崩壊の発生危険度評価と、崩壊発生場の地形・地質の特徴を考察した。その結果、大規模崩壊の発生を高い精度で評価することができた。また大規模崩壊は、平均傾斜が約29°以上で、かつ傾斜のモードが33°以上となるような特定の流域で発生しやすいことが定量的に示された(Saito et al.,2009,Geomorphology)。 2.地すべり・斜面崩壊発生危険度評価のための斜面分割手法の開発 数値標高モデル(DEM)を用いて、山地における斜面分割手法を開発した。本研究で開発した手法により斜面に階層構造を定義することができた。よって、地すべり・斜面崩壊の発生危険度評価を行う際に、適切な空間スケールを選択することが可能となる。また、傾斜が30°〜35°程度で、かつ比高が相対的に高い、特定の斜面で崩壊が発生していることが示された(例えば、齋藤ほか,2009,日本地理学会2009年春季学術大会)。 3.平成20年8月末豪雨の解析-東京都八王子市を事例として- 東京都八王子市を対象に、平成20年8月末豪雨における、降水量と土砂災害発生との関係の解析を行った。土壌雨量指数を用いて解析した結果、今回の事例は、過去数年間で最も土砂災害が発生しやすい状況であることがわかった(齋藤ほか,2008,地理)。
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Research Products
(12 results)