2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物のジベレリンシグナル伝達における構造生物的解析
Project/Area Number |
08J06612
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村瀬 浩司 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自家不和合性 / アブラナ科 / 構造解析 |
Research Abstract |
前年度でジベレリンのプロジェクトは終了したので、本年度からは植物の自家不和合性の分子機構の解析にテーマを移した。被子植物の多くは自家不和合性と呼ばれる自己の花粉を認識、拒絶し、他家受粉を進める分子機構をもっている。アブラナ科植物の自家不和合性はSと呼ばれる1遺伝子座の複対立遺伝子(S遺伝子、S_1、S_2、…、S_n)によって支配され、花粉と柱頭が同じS遺伝子を表現型としてもつとき、花粉の発芽や花粉管伸長が抑制される。この自家不和合性反応は花粉由来のリガンドSP11が柱頭側受容体キナーゼSRKとS遺伝子型特異的に結合することによって引き起こされる。本研究では自家不和合性反応時における自他識別のメカニズムを構造生物学的に解明するため、SP11-SRK複合体のX線結晶構造解析を目指す。本年度はSP11の大量発現法を構築した。S_8、S_9、S_b-SP11は大腸菌で発現させ、ニッケルカラムおよびゲル濾過クロマトグラフィーで精製した。精製した発現タンパク質に還元剤を加えてシステインを架橋させたのち、さらに逆相クロマトグラフィーで精製した。最後に凍結乾燥させて、濃縮した。この発現タンパク質が活性をもつことをバイオアッセイにより確認した。以上の結果からSP11の大量発現法が確立することが出来た。
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Research Products
(4 results)