2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス感染性粒子産生に関与する細胞性因子の同定とその機能解析
Project/Area Number |
08J06617
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 覚 Kyoto University, ウイルス研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | Hepatitis C virus / Cyclophilin / Resistance / Inhibitor / Host cellular factor |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)複製を支持する細胞性因子であるシクロフィリン(CyP)のサブタイプのうち、CyP40が重要な役割を果たしていること、またCyP阻害剤の抗HCV活性に対する耐性がHCV NS5A遺伝子内の一アミノ酸置換により付与され、CyPA要求性の低下が生じることをCancer Science誌に報告した。さらにシクロオキシゲナーゼ阻害剤として知られるSC-560がHCVレプリコン細胞において抗ウイルス効果を示し、インターフェロンとの併用はより強い抗ウイルス効果を発揮したことをAntiviral Chemistry and Chemotherapy誌に報告した。加えて米国において、HCVレプリコン細胞を用いたRNAi-mediated genome-wide screenによりHCV複製への関与が示唆された細胞性因子候補の解析を新たに開始した。とりわけ有意な結果を示したリン(酸化酵素に着目した。Small interfering RNA (siRNA)による遺伝子発現抑制はレプリコン細胞、感染性粒子産生系においてウイルス複製を抑制したが、siRNAに標的されない配列を有する遺伝子の過剰発現はこの抑制効果を解除したことから、本酵素によるウイルス複製の支持は特異的なものであることが裏付けられた。さらに本酵素の機能を欠失した点変異体、機能ドメインを欠失した変異体を各種作製した。これらは今後本酵素のHCV複製促進様式を明らかにするものとなる。以上の情報はHCVの複製、増殖への細胞性因子による貢献メカニズムをさらに解明すると共に、より特異的かつ効果的な新奇抗HCV剤、抗HCV戦略の開発を導くと期待される。
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Research Products
(2 results)