2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06623
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 堅太郎 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | cyclotomic q-Schur代数 / cellular代数 / Hecke代数 / 表現型 |
Research Abstract |
Ariki-Koike代数に付随するcyclotomic q-Schur代数Sのモジュラー表現論に関する研究を行った。Sはcellular代数であることが知られており,その分解定数を求めることが,モジュラー表現論の基本的な問題の1つである。昨年度,Sに対し,良い部分代数とその商代数を構成し,商代数の構造を利用してある分解定数に関する積公式を得た。今年度は,この構造を一般のある冪等元分解と両立するcellular代数の枠組で定式化し,より詳しくその構造を調べた。具体的には,与えられたcellular代数に対し,良い性質を持った部分代数とその商代数を構成し,それらの間の関係を調べた。この中には,昨年度得たSの分解定数に関する関係式も含んでおり,それは(cellular代数の観点からは)昨年度の証明より自然な説明を与えている。さらにこれらの代数のブロックに関する関係も得ることができた。 これらの理論のS以外のcellular代数への応用が期待できる。また,有限次元代数のモジュラー表現論に対する基本的な問題の1つとして,その表現型を決定することは重要であるが,一般にはそれは難しい。Sの場合にはパラメータによってその表現型が変わるので,有限表現型になるためのパラメータの条件を得ることが重要となる。上記で述べたSの構造を利用すると,Sがいつ有限表現型になるかを見るためには(パラメータとランクに関して)ある特別な場合のみを考えればよいことが分かり,その場合の具体的な計算と合わせて,Sが有限表現型となるためのパラメータに関する必要十分条件を得た。これは,上記のcellular代数に対して得た構造の良い応用例である。
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Research Products
(7 results)