2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ送液デバイスを用いた自己組織化脈管ネットワーク形成に関する研究
Project/Area Number |
08J06629
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平丸 大介 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | HUVEC / 血管 / μ-TAS / マイクロチャネル / 傾斜露光 / 培養 / SU-8 |
Research Abstract |
生体組織の工学的応用を目指し、代表的な生体組織の一つである毛細血管に着目することで、人工構造と機能的に結合した細胞培養デバイスを提案した。ここで提案する細胞デバイスでは、マイクロデバイス上のオリフィスと自己組織化により形成される脈管構造を機能的に結合し、脈管構造をマイクロチャネルとして利用する。昨年までの手法では自己組織化により形成される脈管の位置はランダムであるため、オリフィスとの結合を効率的に行うことができなかった。そこで、内皮細胞(HUVEC)をオリフィスへ誘導する手法として、生体内での誘導因子であるVEGFを含有したビーズをオリフィスへ固定しHUVECを誘導する手法を検討した。VEGF含有ビーズをデバイス上へ播種してオリフィスへ吸引固定し、HUVECをデバイス上に培地とMatrigelを滴下後、1日培養した。培養後の観察により、オリフィス上へHUVECが形成した脈管構造が固定されている様子が観察され、また、VEGFの有無・ビーズの有無におけるオリフィスへの誘導効果の比較実験ではVEGFを含んだビーズを固定した場合に、ビーズなしのオリフィス上に比べて約1.5倍のHUVECがオリフィスへ誘導されており、VEGF含有ビーズを用いた誘導手法の有用性を定量的に示すことができた。以上のように、本研究では、微小流路と脈管構造を結合したハイブリッドデバイスを提案し、平成20年度はVEGFを含んだビーズを固定したオリフィス上への脈管構造の誘導、結合実験を行った。その結果、VEGF含有ビーズを固定することでオリフィスへの脈管構造の誘導率が向上し、オリフィスへ接着した脈管構造を観察した。平成21年度以降は、提案した培養デバイスを実現するため、人工流路と自己組織化により形成された脈管構造をオリフィスを介して機能的に接続し、培養デバイスへと応用していく。
|
Research Products
(6 results)