2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06641
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 教道 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞極性 / Rhoファミリー低分子量GTPase / PAR-3 |
Research Abstract |
細胞極性はその細胞が生体内で適切な機能を果たすうえで必要不可欠である。しかしながら、細胞極性がどのようにして形成されるかについての詳細なメカニズムについては未だ不明な点が多い。我々は細胞極性に関与する様々なタンパク質の新規結合分子を同定することで細胞極性形成機構を解明しようと試みた。 平成20年度において、我々はRhoファミリー低分子量GTPaseの一つであるRhoAの新規結合タンパク質としてsorting nexin17(SNX17)を、PAR-3の新結合タンパク質としてphoshatidyl inositol 3-kinase(PI3K)およびfocal adhesion kinase(FAK)を同定した。RhoAとSNX17、PAR-3とPI3KおよびFAkの結合様式について検討したところ、いずれも細胞内での結合が確認された。さらにPAR-3とPI3KおよびFAKは直接結合することも明らかとなった。RhoAがどのようにして時間空間的な活性制御を受けるかについての詳細なメカニズムについてはよくわかっていない。SNX17は細胞内に膜結合ドメインを有していることから、SNX17はRhoAが活性化される際にRhoAを特定の膜にアンカーする機能をもつ可能性が考えられる。また、PAR-3はPI3KおよびFAKを局所的に活性化させることで細胞極性を制御している可能性が示唆される。PI3KおよびFAKはともにある種のがん細胞においてその活性に常が認められている。本研究によりPI3K、FAKの新たな活性制御機構が明らかとなることが期待され、従って本研究の成果は医学的見地からも非常に重要であると考えられる。今後上記の可能性について細胞生物学的のみならず医学的見地からも詳細に検討する予定である。
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Research Products
(1 results)