2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06677
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 昌雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 代数スタック / モジュライ空 / 直線束 |
Research Abstract |
本研究の目的は群スタックおよびその特別な場合である"abelian stack"の理論を構築し,モジュライ理論など代数幾何の諸問題に応用することである.本年度は主としてモジュライ問題への応用を主眼に置いた研究を行った. まず,前年度から継続してモジュライの不変量,特にPicard群の計算への応用を目指した研究を行なった.点つき代数曲線のモジュライ空間(モジュライスタック)のPicard群については,モジュライ空間の境界に注目して帰納的に計算されることがすでに分かっているが.これをより一般的な基礎スキーム上で行なうことを試み,部分的な結果を得た. またこうした研究のためには,代数スタック上の直線束に対して「豊富(ample)」という概念を研究することが有用であろうことに着目した.豊富直線束を用いることで,モジュライスタックとその粗モジュライ空間やコンパクト化との関係が明瞭になり,不変量の計算などにも役立つことが期待される.このため,スキーム論で知られている豊富性に関する等価な条件を代数スタックに一般化することを試み,それらの条件の一部は代数スタックの場合にも拡張されて豊富性の定義を与えられることが分かった. また本年度は代数幾何や数論の幅広い分野の研究者と意見を交換し今後の研究に役立てるため,代数スタックの基礎的な内容に関する講演を研究集会,各大学のセミナー等において行なった.
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Research Products
(1 results)