2008 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸イメージングによる海馬シナプスの放出特性の決定
Project/Area Number |
08J06678
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂本 寛和 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シナプス / グルタミン酸 / イメージング |
Research Abstract |
脳機能の基盤であるシナプス伝達機構を解明することは現在の神経科学における重要な課題の一つとなっている。一つの神経細胞には数個から数万個のシナプスが形成されており、複雑な情報処理がなされている。しかしながら、従来の測定技術では、膨大な数のあるシナプスの内でどこのシナプスがどれだけの情報量を持つのか調べることができなかった。そこで申請者は個々のシナプスがもつ機能および情報量を詳細に解析するために単一シナプスレベルのグルタミン酸イメージング技術の開発を行うことにした。今年度の研究では単一シナプスレベルでグルタミン酸イメージングを行うための蛍光顕微鏡測定システムの構築を行った。所属研究室には蛍光顕微鏡と高感度EMCCDカメラを組み合わせた高速蛍光イメージングシステムが設置されているため、時間・空間的に高精細な測定が可能となった。またこの高速蛍光イメージングシステムをベースにして、神経活動をモニタリングすることに成功した。具体的には、申請者が作製したグルタミン酸可視化プローブを初代海馬培養神経細胞の細胞膜上に固定し、蛍光ライブセルイメージングを行った。また、細胞外カリウム濃度を上げてシナプスを強制的に活性化させることで、FM色素染色法による初代海馬培養神経細胞のシナプスの染色を行い、シナプスの位置を決定した。単一シナプスレベルでグルタミン酸イメージングを行うための最適な測定条件を決定した。具体的には神経細胞の培養条件、神経細胞膜のビオチン化条件、グルタミン酸可視化プローブのラベル条件である。さらに測定データを量子解析法、V-M plot解析法等の統計学的解析法によって解析し、単一シナプスの機能特性を評価した。これらの研究成果を日本神経科学学会にて発表した。
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Research Products
(1 results)