2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異抗体による血中AGEs測定法の開発と血管合併症マーカーへの診断応用
Project/Area Number |
08J06701
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
米良 克美 Kumamoto University, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 糖尿病合併症 / 動脈硬化 / 翻訳後修飾 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
Advanced glycation end-products(AGEs)の蓄積は糖尿病合併症や動脈硬化症などの血管合併症との関連が強く示唆されており,これら疾病のマーカーとしての臨床応用が期待されている.本研究では,AGEs構造体に対する特異的モノクローナル抗体ライブラリーを作製し,得られた抗体を用いた血中AGEsの簡便・迅速・高感度測定法を構築して,臨床応用可能な血管合併症マーカーを開発することを目的としている. AGEs構造体と総称されるアミノ酸修飾構造体のほとんどは,分子量が500以下の低分子物質である.このAGEs構造体に対する抗体を得るため,3種の代表的な架橋剤(EDC,BS3,グルタルアルデヒド)を用いて,AGEs構造体の一つであるカルボキシメチルリジン(CML)をキャリヤタンパク質に結合させ,抗体作製を試みた.3種全ての架橋剤において,CMLをキャリヤタンパク質に結合することはできたが,グルタルアルデヒドを用いた場合においてのみCMLに対して特異的なモノクローナル抗体(2G11)を得ることに成功した.2G11とヒト水晶体レンズタンパク質の反応性は,HPLCにより定量したCML含量と良好な相関を示したことから,本抗体がin vivoサンプルにおけるCMLの解析に応用可能であることが示唆された.加えて同様の方法により,CMLに加えて,CEL,2-SCおよびCMCに対する特異抗体の作製にも成功した.現在,得られた抗体を用いて,各AGEs構造体の競合ELISA測定系の構築を行っている.
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Research Products
(4 results)