2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子産物APCによるG蛋白質の制御機構の解析
Project/Area Number |
08J06734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相良 将樹 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | APC / GEF / 細胞運動 / Spinophilin / 大腸菌 |
Research Abstract |
Asef2と、Asef2の結合蛋白質としてこれまでに同定したSpinophilin、およびAPCの機能を解析するため、三者が肝細胞増殖因子(HGF)シグナルの下流で働いている可能性を検討した。免疫染色により、Asef2、Spinophilin、APCのHeLa細胞における細胞内局在を検討した。その結果、Asef2は細胞質に局在が観察され、Spinophilinは細胞質や細胞膜に局在が観察され、APCや細胞質や細胞膜の突起に局在が観察された。HGFにより細胞を刺激すると、Asef2、Spinophilin、APCはHGF刺激により誘導されるラメリポディアやラッフル膜に濃縮し、三者は共局在することがわかった。また、RNAiによりAsef2、Spinophilin、APCの発現をそれぞれ抑制すると、HGF依存的な細胞運動が抑制された。また、Spinophilinの発現を抑制すると、Asef2の活性型変異体の発現により形成されるフィロポディアの数が減少した。一方、SpinophilinがAsef2のGEF活性に与える影響を検討したところ、SpinophilinはAsef2のGEF活性を制御しないことがわかった。これらの結果から、Asef2、Spinophilin、APCはHGF刺激依存的な細胞運動制御に関与しており、SpinophilinはAsef2と結合することでアクチン細胞骨格系を協調的に制御する足場蛋白質として働いていると考えられた。
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Research Products
(2 results)