2009 Fiscal Year Annual Research Report
Clpプロテアーゼによるクロロフィル代謝の調節機構
Project/Area Number |
08J06830
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻庭 康仁 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クロロフィル代謝 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
私は高等植物のクロロフィル代謝の調節機構、特にクロロフィル合成の最終産物であるクロロフィルbの蓄積調節機構について研究してきた。以前の私たちの研究で、クロロフィルbを合成する酵素であるクロロフィリドaオキシゲナーゼ(CAO)は葉緑体プロテアーゼの1つであるClpプロテアーゼに分解されることによって調節されている事を、遺伝学的手法を用いて明らかにした(Nakagawara et al. 2007)。しかしCAOタンパク質の具体的にどの場所が分解配列(degron)として働いているのかは、まだ明らかになっていなかった。私はこのようなdegronがCAOの制御ドメインであるAドメイン内に存在すると考え、その正確な位置を同定するために、以下のような実験を行った。AドメインのN末端から10アミノ酸残基ずつ削っていったCAO遺伝子とGFP融合タンパク質をコードするキメラ遺伝子を作成し、それらをシロイヌナズナに形質転換した。共焦点顕微鏡によりGFP融合タンパク質の蓄積の観察を行ったところ、AドメインのN末端から50アミノ酸残基削った形質転換体で融合タンパク質の過剰な蓄積が見られ、これらの結果から、Aドメインの40~50残基目の配列がシグナル配列である可能性が高いと考えられた。このことを検証するために、次にこの40~50残基目の配列をAドメインを除去したCAO遺伝子に融合したところ、過剰に蓄積するはずのタンパク質の蓄積が消失していることが明らかになり、これらのことからこの10アミノ酸の配列が単独でCAOの蓄積制御に関わることが明らかになった。さらにこの10アミノ酸をGFPに融合したところ、GFPタンパク質の蓄積も制御していることが示され、この配列が一般的に葉緑体内でタンパク質蓄積を制御する配列として働き得ることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)