2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛薄膜およびナノロッドの電気伝導機構に関する研究
Project/Area Number |
08J06841
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鎌田 雄大 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 薄膜トランジスタ / 透明デバイス / 光感度 / キャリア注入機構 / 欠陥準位 / 界面特性 / ストイキオメトリ |
Research Abstract |
酸化亜鉛薄膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)における電気伝導機構に関する研究を行った。酸化亜鉛を用いたTFTは、その透明性を活かして、ディスプレイや撮像デバイスの駆動回路として期待されているが、バンドギャップ以下のエネルギーの光に応答してしまう、電極からの注入機構が不明、キャリアトラップによる特性不安定が大きい、といった問題点があり、応用上の点で解決が求められている。本研究では、液晶ディスプレイ駆動が可能な実績を持つTFTを用いて、特定部への光照射やイオン注入等の手法でTFTの内部ポテンシャルを変化させながら特性を評価するという手法により、上記問題点の解決に向けた検討を行った。得られた結果の概略を以下に示す。 (1)ZnO TFTが禁制帯幅より長波長の光照射に対しても感度を持つ理由について調べ、裾準位を介して生成したキャリアの影響でソース領域のポテンシャルが変化することが主因であることを実験、シミュレーションの両面から明確にした。またデュアルゲート構造を用いソース領域のポテンシャルを制御することで光感度の低減が可能で、透明デバイスとして応用範囲の広いデバイスが得られることを実証した。 (2)ZnO TFTの暗時における特性について、ソース・ドレイン電極がショットキー接合をなすモデルで記述可能であることを、実験、シミュレーションの両面から明確にした。 (3)Zn過剰および0過剰のZnO薄膜に対して欠陥準位を測定してその起源を明らかにした。TFT動作におけるストレス印加時の特性変動を調べ、欠陥が特性変動に及ぼす効果を明確にして、特性変動の少ないTFT作製の知見を得てそれを実証した。
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Research Products
(9 results)