2008 Fiscal Year Annual Research Report
カオスダイナミクスを用いた離散最適化技法の開発 -ゲノム配列からのモチーフ抽出-
Project/Area Number |
08J06863
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
松浦 隆文 Saitama University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カオスダイナミクス / バイオインフォマティックス / 組み合わせ最適化問題 / サロゲート解析 / 巡回セールスマン問題 / モチーフ柚出問題 |
Research Abstract |
1.カオスダイナミクスを用いた巡回セールスマン問題の解法を開発 代表的な組み合わせ最適化問題の1つである巡回セールスマン問題に対するカオスを用いた新たな手法を提案した.従来のカオスサーチ法では,最も単純な改善法である2-opt法をカオスダイナミクスにより駆動することで局所最適解を回避し,良好な解が得られている.このカオスサーチ法を改良し,更に優れたアルゴリズムを実現するためにOr-opt法を用いた手法の提案を行った.TSPLIBのベンチマーク問題に対して提案手法を用いて巡回路を構築した結果,従来のカオスサーチ法の性能を上回ることが確認された. 2.巡回セールスマン問題におけるカオスダイナミクスの解析 離散最適化問題を発見的手法を用いて解く場合,いかに局所最適解を回避するかが重要となる.カオスダイナミクスを用いた手法では,カオスニューロンの有する不応性効果が,局所最適解を回避する役割を担っており,最適解の探索にとても重要な役割を果たしていると考えられる.非線形時系列解析で用いられるサロゲートデータ法を用いてカオスニューロンの有する不応性効果を統計的解析を通じて明らかにした.その結果,モチーフ抽出問題と同様に,カオスニューロンの有する不応性が解探索の性能に大きく影響を与えることを明らかにした. 3.Chaotic Motif Sampler法の実用化に向けた改良 カオスダイナミクスを用いたChaotic Motif Sampler法(以下,CMS法)はモチーフ配列を高い確率で抽出可能なことが示されている.しかし,CMS法はモチーフの抽出を行う配列に,必ず1つ以上のモチーフが存在する場合にしか対応していない.実際にモチーフの抽出を行う場合,必ず対象配列にモチーフが存在するとは限らない.そのため,CMS法の改良を必要がある.そこで,各モチーフに対応して配置されたカオスニューロンの内部状態値の更新手順の変更を行った.その結果,どのような配列からもモチーフ抽出が可能なことを示した.
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Research Products
(5 results)