2008 Fiscal Year Annual Research Report
脂質化ペプチドを標的とした、新たなウイルス制御機構の解明
Project/Area Number |
08J06951
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 大輔 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CD1 / 脂質 / 免疫学 / ウイルス |
Research Abstract |
ヒトグループ1CD1分子(CD1a、CD1b、CD1c)は、微生物やがん細胞が産生する脂質抗原を結合し、T細胞に提示する新しいタイプの抗原提示分子である。CD1分子の新規リガンドとして脂質化ウイルスペプチドを想定し、その免疫認識機構を明らかにする研究を展開した。合成した脂質化ウイルスペプチドと可溶化リコンビナントCD1分子との結合を定量的に評価するELISAシステムを構築し、これを利用してヒトCD1分子が脂質化ウイルスペプチドと高い結合能を有することを実証した。さらに、ヒト末梢血単核球を脂質化ウイルスペプチドにて複数回、刺激することより樹立したT細胞株において、CD1依存的に脂質化ペプチドを特異的に認識するT細胞が存在していることを見出した。続いて、この免疫応答を個体レベルで解析するためにはサルモデルが有用であると考え、これまで解明されていなかったサルのCD1脂質抗原提示分子ファミリーの機能解析に取り組み、その全容を解明した。サルCD1遺伝子産物(CD1a、CD1b、CD1c)を同定し、その組織レベルでの発現を確認した。また、サルCD1b分子は、結核菌が有する糖脂質抗原を結合し、種の違いを超えてヒトCD1b拘束性T細胞株を活性化出来ることを証明すると共に、モデリングによってその結合様式を明らかにした。以上より、CD1分子を介した脂質化ウイルスペプチドの免疫認識という新たなウイルス制御機構を解明する研究基盤を確立した。
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Research Products
(2 results)