2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂質化ペプチドを標的とした、新たなウイルス制御機構の解明
Project/Area Number |
08J06951
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 大輔 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | CD1 / 脂質 / 免疫学 / ウイルス |
Research Abstract |
ヒトグループ1CD1分子(CD1a,CD1b,CD1c)は、微生物やがん細胞が産生する脂質抗原を結合し、T細胞に提示する新しいタイプの抗原提示分子である。CD1分子の新規リガンドとして脂質化ウイルスペプチド(リポペプチド)を想定し、その免疫認識機構を明らかにするため、以下の点について研究を展開した。 1)エイズウイルスの複製に際して産生されることが想定されるリポペプチドおよびそのアナログ群を網羅的に人工合成した。これらのリポペプチドに対する、脂質化ウイルスペプチド特異的T細胞株(前年度に樹立済み)の反応性を検討することによって、T細胞応答の分子メカニズムを明らかとした。その結果、ペプチド部位のアミノ酸配列、脂質部位のアシル鎖長は、共に抗原提示分子への結合あるいはT細胞認識に深く関与するものと考えられた。 2)上で見出した最適なアシル鎖長を持つ脂質化ウイルスペプチドを用いて、エイズウイルスに対するワクチン効果を検証するべく研究を展開した。現在、小動物(マウス・モルモット)モデルを用いて、適切なアジュバント(polyIC,CFA,リポソームなど)および投与経路を決定するための実験を施行中である。
|
Research Products
(1 results)