2009 Fiscal Year Annual Research Report
中華民国国民政府の「司法改革」-近代国家建設における「司法」と国際関係-
Project/Area Number |
08J06969
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉見 崇 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 国民政府 / 憲政 / 法治 / 社会秩序 / 暴力 |
Research Abstract |
国民政府期の統治構造を再考することを目的とし、特に抗日戦争勝利後において、憲政(民主化)を実施しようとした戦後期が「法治」ではなかったのかどう具体的な仮説を立てながら、考察を行った。 ・研究の意義、特色について 近年の研究によって、戦後期の政治体制が、三権分立制を志向したものであったということが、明らかになってきている。しかし、現段階では、議会に相当する立法院(や監察院)と内閣に相当する行政院や総統との制度史的考察にとどまっている。つまり、中央レベルにとどまらず、地方レベルを含めた「行政-立法-司法」という三権間の制度史的考察、またその範囲が広い行政権のながで、具体的な執行権に焦点をあてながら、三権間の実態を解明した研究は管見の限りない。 そこで本研究では、それらの課題について、警察や刑事事件(条件)を具体的に取り上げ、「法治」を前提とした民主化と暴力をともなう社会秩序の維持はどこまで両立したのかという視点を中心に検証し、国民政府の政治システムの歴史的役割ないし性格を定義することを目指した。 ・具体的な課題について ◎「法治」を前提とした民主化→・三権間の制度史的考察・実態の解明 ◎暴力をともなう社会秩序の維持→・警察制度改革・社会の実態の解明 ・「法治」を前提とした民主化と暴力をともなう社会秩序の維持について、当時者たちの考える思想史的に分析
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