2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06994
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 大明 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 一酸化窒素 / ストレス応答 / S-ニトロソ化 / ジャガイモ |
Research Abstract |
植物は植物病原体に対して防御応答を誘導する場合に一酸化窒素(NO)を生成する。本研究ではNOシグナルが植物の抵抗反応誘導時に果たす役割を分子レベルで明らかにし、抵抗性植物作出の分子基盤を与えることを目的としている。そのために、植物細胞内におけるNO生成機構を明らかにすることと、生成したNOによる情報伝達機構を明らかにすることが重要である。 植物の抵抗反応誘導に至る情報伝達系へのNOシグナルの関与を明らかにするため、NO生成の下流に位置し、NOにより制御されるタンパク質翻訳後修飾機構であるS-ニトロソ化の標的となるタンパク質の特定を試みた。実験材料には、当該研究室の中心的研究対象であるジャガイモと、その疫病菌Phytophthora infestansの系を用いた。まず、ジャガイモ葉においてどのようなタンパク質がS-ニトロソ化される可能性があるかを明らかにするため、葉抽出タンパク質溶液にNO供与体S-ニトロソグルタチオン(GSNO)を処理し、S-ニトロソ化タンパク質を特異的に検出することができるビオチンスイッチ法を用いて、S-ニトロソ化タンパク質の検出および同定を試みた。nano-LC-MSを用いた質量解析により、ジャガイモ葉および塊茎より約50種類のニトロソ化候補タンパク質を同定した。現在これらの候補タンパク質が実際に病原菌に対する抵抗反応に関与するかを明らかにするため、目的遺伝子の発現抑制が簡便に行うことができるベンサミアナタバコ植物を用いて、感染防御応答における候補タンパク質の関与の評価を行っている。また、同定した候補タンパク質が植物細胞内においてニトロソ化され得るかを評価するため、ベンサミアナタバコ葉にアグロバクテリウムを介して候補タンパク質を一過的発現し、感染防御応答誘導時における侯補タンパク質のニトロソ化修飾状態の評価を行っている。
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Research Products
(4 results)