2008 Fiscal Year Annual Research Report
H5N1インフルエンザウイルスのサイトカイン誘導能の解析
Project/Area Number |
08J07017
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂部 沙織 The University of Tokyo, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | H5N1インフルエンザウイルス / ヒト末梢血由来マクロファージ / サイトカイン |
Research Abstract |
H5N1インフルエンザウイルスのサイトカイン誘導能の解析 背景 近年、H5N1インフルエンザウイルスによる高病原性鳥インフルエンザが、アジアを中心に世界中で大きな問題となっているが、鳥への感染だけにとどまらず、ヒトへの感染、死亡例も多数報告されている。また、その死因として、免疫調節機構の異常による呼吸窮迫症候群や多臓器不全が挙げられるが、それには、肺胞マクロファージが大きな役割を果たしていると考えられている。 マクロファージへの分化誘導 そこで、ボランティアの方から血液をいただき、末梢血中から、プレート付着性を利用し、単球を分離し、分離した単球にGM-CSFを作用させ、マクロファージを誘導した。 肺胞マクロファージのモデルになるかの確認 次に、作成したマクロファージが肺胞マクロファージのモデルとして適しているかを確認するため、肺胞マクロファージのマーカーであるCD68の発現を調べたところ、CD68が発現しており、肺胞マクロファージのモデルとして使用できることが示唆された。 H5N1ウイルスのヒト末梢血由来マクロファージにおける増殖とTNFα誘導 ヒト末梢血由来マクロファージに、様々なH5N1クイルスおよび季節性インフルエンザウイルスH3N2およびH1N1ウイルスを感染させ、ウイルス増殖および放出されるTNFα量をELISAで測定した。結果、季節性インフルエンザウイルスもH5N1ウイルスも高い増殖性を示す株、低い増殖性を示す株があり、両者の間で明確な差は認められなかった。TNFα放出量に関しても同様の結果となった。今後ば、他のサイトカイン・ケモカインについても調べていく予定である。
|