2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA高次構造を担うヒストンによるクロマチン制御機構の解析
Project/Area Number |
08J07057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川嶋 聡 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ヒストン / クロマチン / 染色体分配 / CLASP / GLAMP / GLibrary |
Research Abstract |
1.ヒストン点変異体株ライブラリー(histone-GLibrary)の構築 ヌクレオソーム表面に存在する320残基のヒストン点変異株ライブラリーを用いた解析(GLASP)は論文として発表済みであったが(Genes to Cells 12 13-33 2007)、一方で、ヌクレオソーム内部に存在する119残基のヒストン点変異体株ライブラリーを用いた解析(GLAMP)はまだ終えていなかった。そこで、GLAMPにおける119種のヒストン点変異体株について、様々な薬剤感受性試験スクリーニングを行い、多くの薬剤感受性株を同定した。現在は、そのスクリーニング結果とともに、GLASPとGLAMPを統合したライブラリー(histone-GLibrary)の構築についての論文を投稿準備中である。 2.ヒストン点変異体株ライブラリーを用いた染色体分配における機能解析 微小管重合阻害剤であるチアベンダゾールとベミルに対する感受性試験を行い、GLASPの320株のうち、H2A:12株、H2B:1株、H3:6株、H4:3株の計22株を染色体分配に異常をきたすヒストン点変異体株として得た。これまでに、H2A-I112A点変異体株では、微小管重合阻害剤ノコダゾール処理により、M期中期に起こるセントロメアの伸縮に異常を生じることを見出した。現在は、その分子機構を解明するために、ChIPなどの実験を行っている。 【意義・重要性】GLibraryの構築は、DNA高次構造を担うヒストンをクロマチン制御機構の中心に位置づけた独創的研究であり、ヒストン以外の進化的に高度に保存された因子にも応用可能である。また、クロマチン制御機構は、高次生命現象を含む多くの反応制御基盤であるため、その全容解明は、生命を理解する上で非常に重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)