2008 Fiscal Year Annual Research Report
環礁州島における海面上昇影響下での持続可能な国土維持に関する研究
Project/Area Number |
08J07097
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐藤 大作 Ibaraki University, 理工学研究科情報・システム科学専攻, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マジュロ環礁 / 海面上昇 / 州島保全 / 流動モデル / 地形変化 / 数値計算 / 現地調査 / 波浪場 |
Research Abstract |
環礁における流動モデルの構築では,浅いリーフの効果を考慮するために,新たに浸水・干出計算を組み込んだ流動場モデルの構築を行い,単純なモデル州島における計算がおこなえる段階まで完成した.来年度ではより実地形に近い条件での計算を行い,州島地形への流動場が及ぼす影響についての検討を進めていく.また,マジュロ環礁における国土保全策の検討では,100年という長期間の計算が効率的に行えるように,前年度までに構築した州島変化モデルの改良を行い将来地形の予測計算を行った.また,これまで無視されていた地形変化と波浪場との相互作用を考慮する形にモデルを組み直した.改良された州島変化モデルを長期州島変化モデルと位置づけ,従来の州島変化モデルと実測断面地形変化から得られた土砂変化量との10年間での地形変化計算結果の比較を行ったところ,妥当な結果を得ることができた.州島保全対策の検討では,沿岸漂砂系からは外れた損失土砂に着目した.これらを有効利用した養浜対策について,長期州島変化モデルを用いて検討を行っている.得られた国土保全策の検討結果は現地の海岸管理計画へ反映されることが期待される.さらに,2008年8月に実施されたマジュロ環礁現地調査に参加し,流動モデルや州島地形変化計算モデルのさらなる発展に重要となる流速計データおよび海岸断面測量データを取得し,得られたデータの解析を行った.また,州島地形変化モデルや流動モデルの発展だけでなく,州島地形変化の時系列的な変化を把握する上でも非常に貴重なデータを取得することができた.来年度は,得られた調査データを考慮し,保全対策とその効果についての検討を行う.
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Research Products
(3 results)