2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07215
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 広大 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超ケーラー多様体 / 体積増大度 |
Research Abstract |
本年度は、特殊ホロノミー群をもつ幾何構造の中でも特に、超ケーラー多様体について研究した。特に、無限生成ホモロジー群をもつA_∞型超ケーラー多様体について調べ、その体積増大度について新しい結果を得た。A_∞型超ケーラー多様体は、Anderson-Kronheimer-LeBrunらによって構成された実4次元非コンパクト完備リッチ平坦計量である。私は、この超ケーラー多様体の漸近挙動を調べるために、体積増大度に注目した。 ここでリーマン多様体(X,g)の体積増大度とは、Xのある一点を中心とする半径rの球の体積をV_g(r)とするとき、この関数V_g(r)のr→∞における漸近挙動である。 Bishop-Gromovの比較定理によれば、実n次元のリッチ平坦リーマン多様体(X,g)の体積増大度はr^n以下のオーダーとなることが知られている。例えば4次元では、ALE空間は体積増大度がr^4となる例であり、Taub-NUT空間はr^3となる例である。 私は本年度の研究で、3<a<4を満たす全ての実数aに対して、体積増大度がr^aとなる例がA_∞型の超ケーラー多様体として実現されることを証明した。さらに、他の全てのA_∞型の超ケーラー多様体の体積増大度はr^3より大きくr^4より小さいことを証明した。
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Research Products
(2 results)