2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07231
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲垣 哲也 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 木質科学 / 近赤外分光法 / 考古計測学 |
Research Abstract |
本研究の目的は非破壊計測が可能な分光分析法を基盤技術として、新しい考古計測学的手法を開発することにある。本年度はこの目的を達成するための基礎実験および、これまでの研究成果に関する学術雑誌への投稿を精力的に行った。本年度は主に、重水素置換法と近赤外分光法を組み合わせて、熱処理を施した木材の結晶構造を詳細に観察する研究を遂行した。またこれらの結果を古材を用いて同様の実験を行った過去の研究成果と比較した。これによって、熱処理と経年変化双方において、結晶化度の増加で観察されるが、結晶幅は個々の変化を示すことが分かった。またそれら結晶構造が近赤外分光法によって予測可能であることが示された。これらの成果はBiomacromoleculesに投稿、受理、発表された。また、近赤外分光法による排水の汚染指標の予測に関する論文をJournal of wood science and technologyに投稿、受理、発表された。さらに、近赤外分光法によるプランテーションユーカリ材の非破壊材質評価に関する研究を行い、論文をJournal of water Science and Technologyに投稿、受理された。日本学術振興会特別研究員採用期間において、非破壊計測が可能な分光分析法を基盤技術として、新しい考古計測学的手法を開発することを目的とし、各種実験を行った。これらの研究により、近赤外分光法による新たな考古計測学を確立するための重要な知見・可能性・データベースが得られた。
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Research Products
(3 results)