2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の病徴発現に関わるマイクロRNAを介した遺伝子制御ネットワークの解明
Project/Area Number |
08J07252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 将典 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物病原微生物 / 病徴発現 / 遺伝子制御ネットワーク |
Research Abstract |
植物病原微生物は、植物に感染し、壊死・黄化・モザイク・萎縮などの多様な病徴を呈するが、それらの病徴発現の分子メカニズムは明らかにされていない。本研究では、植物病原微生物の感染により引き起こされる特徴的な症状について、宿主植物のゲノム情報を利用し病徴発現における遺伝子制御ネットワークの解明を目的としている。 本年度は、タバコ属植物に激しい壊死症状を引き起こす植物ウイルスであるplantago asiatica mosaic virus(PlAMV)の感染過程について解析を行った。その結果、PlAMVのコードするタンパク質のうち外被タンパク質が感染過程において必須であることを見出した。加えて、外被タンパク質のアミノ末端領域に重要な機能を果たすアミノ酸部位が存在することを明らかにした。 さらに宿主植物に叢生などの特徴的な病徴を引き起こすことが知られている植物病原細菌ファイトプラズマについて研究を行った。その結果、叢生の引き金となる分泌タンパク質を同定し、マイクロアレイ解析によりファイトプラズマ病による叢生に植物ホルモンが関与することを明らかにした。 加えて、本邦の栽培フキにおいてモザイク症状を引き起こす植物ウイルスbutterbur mosaic virus(ButMV)のゲノム塩基配列を解読した。その結果、ButMVはCarlavirus属に分類されることが明らかになり、ButMVの診断防除法の確立に向けた基礎的な知見を得た。
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Research Products
(3 results)