2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル卵母細胞内母性mRNAの翻訳を制御するmRNP複合体の機能解析
Project/Area Number |
08J07275
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中村 依子 The Institute of Physical and Chemical Research, 辻本細胞生化学研究室, 特別研究員(PD)
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Keywords | アフリカツメガエル / 卵母細胞 / 母性mRNA / 翻訳制御 / mRNPタンパク質 |
Research Abstract |
本研究は、アフリカツメガエル卵母細胞のmRNP構成タンパク質を解析し、卵母細胞における母性mRNAの翻訳制御機構を明らかにすることを目的としている。これまで、カエル卵母細胞内の貯蔵mRNP複合体の新規構成分子としてP100タンパク質に注目し、その機能解析を行った。 今年度は、P100が卵成熟の進行に必要な特定の母性mRNAの翻訳を制御していることを確かめるための解析を行った。カエルでは、卵成熟に必要な母性mRNAは3'UTR内の配列がmRNAの翻訳を制御していることがすでにわかっているため、卵成熟に必要な母性mRNAの3'UTRと連結したレポーターmRNAを作製し、P100がどのレポーターmRNAの翻訳を抑制するかを調べた。また、抗P100抗体を用いて、卵母細胞抽出液からの免疫沈降とマイクロアレイ(またはRT-PCR)を組み合わせ、P100が卵成熟に必要な特定の母性mRNAに結合しているのかどうかを解析した。さらに、P100は卵成熟が開始すると消失し、mRNAの翻訳を抑制する働きを持つので、P100は、卵成熟が開始すると翻訳が活性化される特定の母性mRNAの翻訳を抑制しているのではないかと考え、P100を過剰発現させた卵母細胞にプロゲステロン処理をして、卵成熟の間翻訳が活性化される母性mRNAの翻訳が抑制されるかを調べた。これらの結果、卵成熟過程において、P100は卵母細胞内で卵成熟の進行に必要な特定の母性mRNAに結合して、その翻訳が活性化するのを抑制することが示唆された。これまでの成果を論文にまとめ、現在学会誌に投稿中である。
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Research Products
(3 results)