2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル黒色素胞の発生におけるMitf遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
08J07288
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西原 あきは (川崎 あきは) Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Mitf / メラノフォア / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
本研究は、黒色素細胞発生のキーとなる小眼球症関連転写因子Mitfに着目し、黒色素胞発生の分子メカニズムを解明することを目指している。前年度の我々の研究でMitfが、発生過程におけるメラノブラストの神経管上部からの移動に影響する可能性が見出された。本年度は、このMitfのメラノブラストの移動への影響に着目し、Mitfの下流にあると考えられる遺伝子の解析を行った。 皮膚などに存在する色素細胞は神経冠由来の細胞であり、神経管の背側から最終的な場所へと移動する。Mitfを過剩発現させるとメラノフォアの移動が乱れ、ニワトリなどでメラノブラストの背側経路の移動に関係していることが知られているエンドセリン受容体B2(Ednrb2)の発現を異所的に誘導することがわかった。アフリカツメガエルのメラノブラストは背側経路を通らず、腹側経路を通って目的地へと移動するので、ニワトリの場合と異なる。アフリカツメガエルにおけるEdnrb2の機能は調べられていないため、Ednrb2がツメガエルでも移動に関連しているのかをin vivo, in vitroの両面から解析した。Ednrb2の発現パターンを調べると、移動前から分化後までメラノフォア特異的に発現し、リガンドであるエンドセリン3(ET3)は移動が終わる部分で発現していることがわかった。Ednrb2の過剰発現やET3のモルフォリノアンチセンスオリゴの顕微注入によって、腹側へのメラノブラストの移動が阻害された。またET3に対するメラノブラストの応答性を解析するため、神経管培養法を用いin vitroで解析した結果、走化性は認められなかったものの、ケモキネンス活性は示した。これらのことから、ET3-Ednrb2のシグナル経路がメラノブラストの移動に関わっていることがわかり、MitfはEdnrb2の発現調節を介してメラノブラストの移動に影響することが示唆された。
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Research Products
(3 results)