2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル黒色素胞の発生におけるMitf遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
08J07288
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西原 あきは (川崎 あきは) 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Mitf / メラノフォア / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
本研究は、黒色素細胞発生のキーとなる小眼球症関連転写因子Mitfに着目し、黒色素胞発生の分子メカニズムを解明することを目指してきた。本年度は、私がMitfの過剰発現実験からMitfの下流にあることを見出した、エンドセリン受容体B2(Ednrb2)とそのリガンドの一つであるエンドセリン3(ET3)の黒色素細胞芽細胞(メラノブラスト)移動に対する機能を昨年度に引き続いて解析した。 メラノブラストの起源となる体幹部神経冠細胞には、最終的に分化する細胞種に応じて、主に腹側と背側の2つの移動経路があり、どのように移動経路を選択しているのかという問題がある。ニワトリ胚では、メラノブラストは背側経路を移動し、その経路への進入に重要なのが、Ednrb2だと考えられている。アフリカツメガエルのメラノブラストは背側経路は通らず、腹側経路を通って目的地へと移動する。そこで、ET3/Ednrb2が、たとえ腹側経路しか通らないアフリカツメガエルのメラノブラストの移動でも関与しているのかを解析した。昨年度までにこれらの遺伝子発現パターンを解析し、このエンドセリンシグナルがメラノブラストの移動に関与することを強く示唆する結果を得ていた。今年度はin situ hybridization法を改良して、より詳細に発現パターンを解析した結果、受容体の発現はメラノブラストでかなり早い時期から発現していること、リガンドの発現時期は移動が始まる時期とほぼ一致し、移動の目的地で発現が維持されることなどを明らかとした。また、アフリカツメガエル胚とニワトリ胚で、ET3の発現場所やET3に対するメラノブラストの応答性の違いがあることを見出し、これらの違いが移動経路の違いに反映されているのではないかということが示唆された。以上の成果をDevelopmental Dynamics誌に発表した。
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Research Products
(4 results)