2008 Fiscal Year Annual Research Report
WDMネットワークにおけるスケーラブルな分散型論理トポロジ構築手法に関する研究
Project/Area Number |
08J07307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 佑揮 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 波長分割多重 / 波長ルーティング / 論理トポロジ / スケーラビリティ |
Research Abstract |
増加し続けるトラヒックの収容に加え、インターネットの規模の拡大に対応するためには、大規模ネットワークへ適用可能な論理トポロジ構築手法が重要である。本年度は、論理トポロジ構築手法のネットワーク規模に対するスケーラビリティを向上させるために、少ない制御情報で動作する論理トポロジ構築手法の実現に取り組んだ。 論理トポロジ構築においてスケーラビリティを高めるためには、収集する制御情報量を削減することが重要である。しかし、現在提案されている多くの論理トポロジ構築手法は対地間のトラピック量(トラヒックデマンド)を用いている。トラヒックデマンドは直接計測できないため、トラヒックデマンドを得るためには多くの情報を収集する必要があり、スケーラビリティに対する問題がある。そのため、制御情報を削減するためには、はじめに、少ない制御情報で動作する論理トポロジ構築手法を確立する必要がある。これを実現するための手段として、生物の振る舞いに着目した。一般的に、生物は十分な情報伝達の手段を持たないため、限られた情報にもとづいて制御を行っている。様々な生物モデルの中で、対象とするフォトニックネットワークと構造が類似している遺伝子・代謝ネットワークの振る舞いに着目し、これをフォトニックネットワーク制御に適切に読み替えることで、少ない制御情報で動作する論理トポロジ構築手法の実現に取り組んだ。提案手法は論理トポロジ上の最大リンク利用率にもとづいて制御を行う。論理トポロジ上のリンク利用率は、トラヒックデマンドとは異なりSNMPなどの既存の技術を用いて直接計測することが可能であり、また、その値を取得するための制御情報も非常に少ない。シミュレーション評価で、リンク利用率のみにもとづく提案手法が、トラヒックデマンドを用いる既存手法と最大リンク利用率を同程度にまで抑えることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)