2008 Fiscal Year Annual Research Report
マダケ属の一斉開花関連遺伝子群の新規ベクター系による未開花個体への導入と発現解析
Project/Area Number |
08J07324
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
久本 洋子 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タケモザイクウイルスBaMV / タケ類の一斉開花 / 花成促進遺伝子FT / 花成抑制遺伝子CEN / モウハイチクPhyllostachys meyeri / トウオカメザサShibataea chinensis / タケ類プロトプラスト / 完全長cDNAクローン |
Research Abstract |
1.モウハイチクおよびトウオカメザサの一斉開花の各時期・各器官における花成促進遺伝子FTおよび花成抑制遺伝子CEN相同遺伝子の発現を解析した。FT相同遺伝子の発現は花序よりも葉で高い値を示し、一方CEN相同遺伝子は葉よりも花序、特に無限花序で高い発現を検出した。この結果は、シロイヌナズナやイネにおける、FT遺伝子によって葉で生産されたFTタンパク質が師部を通って茎頂分裂組織へ移動し花成を促進するという報告やCEN遺伝子が花序を無限化し花成を遅らせるという知見と一致し、タケ類においてもFTとCEN相同遺伝子が花成や花序形成に関与することが示唆された。同時に、実生や幼若個体においてCENのみが高い発現を示したことは、今後幼若未開花個体の強制開花を実現するには、単にFT相同遺伝子を導入するのみならずCEN相同遺伝子の発現を抑制する必要のあることを示唆した。 2.これまでタケ類におけるCaMV35Sプロモーターの発現の報告は無いため、GFP発現ベクターを使用し、草本性タケ類リサクネの葉から分離したプロトプラスト内でのGFP発現の確認を行っている。リサクネの葉からエレクトロポレーション法による遺伝子の導入に必要な10^6細胞/ml培地のプロトプラストがほぼ調整可能となった。 3.タケは巨大なクローンを形成する植物であるため、接種したFT相同遺伝子をクローン内の隅々にまで蔓延するには、自己増殖能力を持つ無害なウイルスをベクターとして改変・活用するのが最も有効であると判断した。そこで、台湾でタケモザイクウイルスBaMVに感染したタケ類を採取し、リョクチクBambusa oldhami葉から単離したBaMVをRT-PCR法によってcDNAを合成し、クローニングして6365塩基の全配列を決定した。その後、発現ベクターp35SIV(19)を使用し、完全長cDNAクローンを構築中である。
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Research Products
(4 results)