2009 Fiscal Year Annual Research Report
マダケ属の一斉開花関連遺伝子群の新規ベクター系による未開花個体への導入と発現解析
Project/Area Number |
08J07324
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
久本 洋子 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タケモザイクウイルスBaMV / タケ類の一斉開花 / 花成促進遺伝子FT / 花成抑制遺伝子TFL1 / CEN / モウハイチクPhyllostachys meyeri / トウオカメザサShibataea chinensis / タケ類プロトプラスト / 完全長cDNAクローン |
Research Abstract |
1.モウハイチクおよびトウオカメザサの生活史における年次変化での様々な器官の花成促進遺伝子FTおよび花成抑制遺伝子TFL1/CEN相同遺伝子の発現量をリアルタイムRT-PCR法によって解析した。FT相同遺伝子の単独での高い発現量は葉においてのみ検出され、稈、根、地下茎では検出されなかった。この結果は、シロイヌナズナやイネで解明された知見、すなわちFT遺伝子が葉で発現し、生産されたFTタンパク質が茎頂分裂組織へ移動して花成を促進するということと一致することを示唆した。一方、TFL1/CEN相同遺伝子の発現は実生の茎、腋芽、タケノコといった初期の栄養繁殖器官にのみ検出された。また、年次的な発現パターンの結果は、モウハイチクが一斉繁殖型の生活史を、トウオカメサザが多回繁殖型の生活史を持つことを裏付けている。また、花序におけるFTとTFL1/CEN相同遺伝子の発現量のバランスによって、有限・無限という花序形態の基本構造が決定されることが示唆された。 2.これまで全く報告例の無い、タケ類の葉よりプロトプラストを単離するための確実で簡便な方法を開発した。次に、モウハイチクのプロトプラストにエレクトロポレーション法によってGFPベクターおよびGFP-PmFT融合ベクターを導入した。これらの遺伝子発現をRT-PCR法によって確認した。 3.タケは巨大なクローンを形成する植物であるため、接種したFT相同遺伝子をクローン内の隅々にまで行き渡らせるには、自己増殖能力を持つ無害なウイルスをベクターとして改変・活用するのが最も有効であると判断した。リョクチクBambusa oldhamii葉からBaMVを単離し、6,365塩基の全配列を決定し、遺伝子ベクターとして使用するために、BaMV完全長cDNAクローンを構築した。その後、パーティクルガン法によるタバコ葉への接種実験により、クローンの感染性を確認した。
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Research Products
(5 results)