2009 Fiscal Year Annual Research Report
ケモメトリカル分光イメージング法による植物生育環境モニタリングシステムの確立
Project/Area Number |
08J07335
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
小堀 光 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イメージング / クロロフィル蛍光 / 多変量解析 / 非破壊 / ストレス |
Research Abstract |
本研究は分光イメージングと、計量科学的手法を用いて植物のストレス強度や水分状態、光合成活性といった、植物の生育状況を、非破壊的に行なうことを目的としたものである。昨年度に着目したクロロフィル蛍光時間分解画像の多変量解析手法をさらに詳細に検討し、水ストレス条件下の葉と健康な葉の判別を行う手法を確立した。 一時間の暗処理を行なった鉢植えのポトスに青色および赤色の励起光を照射し、2枚の葉のクロロフィル蛍光誘導期現象を観測した。励起光照射開始から20秒間の連続画像を撮影し、各画素の時間変化を一方の葉は茎を切断し、水の供給を停止した。茎の切断後120時間までのクロロフィル蛍光誘導期現象を測定した。 各時間に得られた蛍光時間分解画像において、各画素における輝度の時間変化を説明変量として主成分分析を行なうと、PC2スコア画像によって蛍光強度の時間変化を抽出することができる。クロロフィル蛍光の時間プロフィルは葉(個体)によってばらつきがあるものの、現画像の主成分分析によっても、ある程度以上の水ストレスを明確に検出することができることが確認された。また、茎切断直後の時間分解画像を各時間における画像から減算したところ、葉ごとの蛍光時間プロフィルのばらつきを排除することが可能となった。 植物の生育環境をモニタリングし、その結果に従い外的環境を制御することでより効率的な植物生産システムを構築することができるが、本手法を用いることにより、非破壊、非接触で広範囲の植物をモニタリングすることが可能になると考えられる。
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Research Products
(3 results)