2009 Fiscal Year Annual Research Report
特定のオルガネラのみで機能するケージド化合物の創製とその生物応用
Project/Area Number |
08J07344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 真子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 蛍光プローブ / SNAP-tag / カルシウム / ケージド化合物 |
Research Abstract |
1.本年度の年次計画に従い、SNAP-tagが存在する空間で機能する小分子の開発及びその生物応用に取り組んだ。具体的には、昨年度までに開発した、BODIPYを蛍光骨格とした高感度Ca^<2+>蛍光プローブ(BODIPY-based calcium indicator, BOCA-1)に、SNAP-tagとの反応部位であるbenzylguanineを組み込んだ化合物(BOCA-1-BG)を合成した。BOCA-1-BGのSNAP-tagとのラベル化後における蛍光特性を精査した結果、Ca^<2+>添加により180倍もの蛍光強度上昇を示し、蛋白とのラベル化後にもその機能が保持されることを示した。さらに、SNAP-tagを細胞内の特定の部位(核や細胞質)に局所発現した細胞を用い、BOCA-1-BGの生細胞における局在性・応答性を検討した。その結果、SNAP-tagが発現している部位のみにCa^<2+>蛍光プローブを局在させることが出来、また刺激によりCa^<2+>濃度変化を局所的に観察することに成功した。 2.Geneva大学のMarcos Gonzalez教授らと共同し、SNAP-tagを用いて、真核生物のモデル実験動物として汎用されているゼブラフィッシュにおける蛋白ラベル化法の確立に取り組んだ。その結果、細胞内局在の異なる様々な蛋白をSNAP-tagとのfusion蛋白として発現することが可能であること、これらのfusion蛋白を様々な波長の蛍光性benzylguanine基質で蛍光ラベルすることが可能であることを見出した。さらに、SNAP-tagの基質として、benzylguanine-caged fluorophoreを用いることで細胞系譜を調べる手法の確立にも取り組んだ。その結果、光照射した細胞においてのみ蛍光回復が起こり、また発生後においても抗体染色によりラベルした細胞を特定可能であることを示した。
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Research Products
(1 results)