2009 Fiscal Year Annual Research Report
キラルアシルナイトレン種の生成と制御を鍵とするchartelline Aの合成研究
Project/Area Number |
08J07345
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 茂樹 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | chartelline / 不斉合成 / スピロ環化反応 / ロジウムナイトレン錯体 |
Research Abstract |
3年間の研究の2年目となる本年度は、求電子的窒素原子を触媒的に発生させ活性種として活用するため、以下の項目について検討した。 1.Dehalo-chartellineの不斉合成研究 chartellineに存在する不斉四級中心の構築法としてキラルロジウム触媒を用いたエナンチオ選択的なスピロ環化反応を検討した結果、重水素化基質を用い、またRh_2(S-TCPTTL)_4を作用させることで、良好な化学、及び不斉収率を有する目的物を得ることができた。そしてchartellineの左翼部と右翼部を薗頭カップリング反応によって連結することに成功し、これまでの結果をChemical Communications誌に報告することができた。また絶対配置を決定する目的で、既知物質であるAG-041Rの不斉合成を達成し、旋光度の比較によって絶対構造を明らかにすることができ、以上の内容をThe Journal of Organic Chemistry誌に発表した。そして更に本年度はchartellineのコア骨格合成に向け、まず薗頭反応によって構築した三重結合のシス還元について検討を行った。しかし、種々の還元条件を検討したが、原料が回収されるのみか、もしくは基質が複雑に分解されるのみであり、合成戦略を変更することとした。すなわち、これまでは鍵工程であるスピロ環化反応後に薗頭反応を行っていたが、まず薗頭反応によって連結後、スピロ環化反応に付すというのである。モデル研究として、インドールの2位にtert-butylacetyleneをカップリングさせ、水素添加条件によってシス-アルケンを構築した基質を調製し、スピロ環化反応を検討した。検討の結果、2位にアルケニル置換基を有する基質において、未だ化学選択性は低いが、目的とするスピロ環化体を43%という収率で得ることに成功した。
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Research Products
(2 results)