2010 Fiscal Year Annual Research Report
キラルアシルナイトレン種の生成と制御を鍵とするchartelline Aの合成研究
Project/Area Number |
08J07345
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 茂樹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | chartelline / 不斉合成 / スピロ環化反応 / ロジウムナイトレン錯体 |
Research Abstract |
3年間の研究の3年目となる本年度は、求電子的窒素原子を触媒的に発生させ活性種として活用するため、以下の項目について検討した. 1.アザスピロ環化反応の基質適応性に関する検討 前年度までに、含窒素不斉四置換炭素中心構築法として、2-メチルインドリルエチルカルバメートを基質としたアザスピロ環化反応を開発していた。そこで、本年度は基質適用性を精査するため、インドールの芳香環上の置換基の影響について検討を行った。その結果、インドールの5位および6位に電子供与基(-OMe)または電子吸引基(-Br, -NO_2)が置換したいずれの基質においても良好な化学およびエナンチオ選択性で反応が進行することを確認した。 2.海洋性アルカロイドchartelline Aの不斉全合成研究 これまでにアザスピロ環化反応で構築した不斉四置換炭素を有するインドールフラグメントとアルキンを有するイミダゾールフラグメントとの薗頭カップリング反応によって、下半分の連結が達成されていた。そこで、本年度は上半分の連結を達成すべく、マクロ環形成反応について検討を行った。その結果、イミダゾールフラグメントの側鎖にヘミアセタール基を有する基質に対し、TMSOTf/di-tert-butyl-4-methylpyridineを作用させたところ、インドールフラグメント側鎖の窒素原子の保護基であるBoc基の脱離を伴いながら、N, O-アセタールが形成され、chartelline類のマクロ環に相当する10員環を構築することができた。これまで、chartelline類の全合成研究において、マクロ環構築を行っているのは、全合成を達成したBaranらのグループのみであり、本検討によって、chartellineのマクロ環形成反応に関する重要な知見を得ることができたと考えている。
|
Research Products
(1 results)