2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性食用植物成分curcuminをリードとする創薬化学研究
Project/Area Number |
08J07351
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山越 博幸 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | curcumin / 標的分子 |
Research Abstract |
2年計画の前半となる本年度は、研究計画に基づきGO-Y086結合タンパク質を明らかにし、その結合サイトを推定することに成功した。LC/MS/MS法とPMF法によりプロテオミクス解析を行い、GO-Y086と結合するタンパク質がKSRPであることを明らかにした。KSRPはmRNAの非翻訳領域に存在するAREに結合し、その分解を制御する。また、融解した一本鎖DNAの結合タンパク質としても知られており、強いc-myc遺伝子転写活性を有することから発がんとの関係が注目されている。GO-Y086はKSRPの初めての低分子リガンドとして位置づけることができる。GO-Y086の結合サイトを決定するため、KSRPの各種変異体を作製し、GO-Y086のビオチン部を用いた免疫沈降法によりGO-Y086との結合を評価した。結果、KSRPの500番目システインをアラニンに置換した変異体のみGO-Y086との結合能を失うことが判明した。すなわち、GO-Y086がKSRPの500番目システイン残基に共有結合することが強く示唆された。500番目システイン残基の3次元構造はすでに報告があり、今後シュミレーションによる詳細な結合モデルの構築が可能である。以上を踏まえると、GO-Y086がKSRPの発がんとの関連を明らかにするための切り口になると考えられる。さらにはGO-Y086をリードとする創薬へもつながる可能性がある。
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