2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャネル内部の相変化現象を利用した生体伝熱制御に関する研究
Project/Area Number |
08J07374
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡島 淳之介 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 凍結手術 / 生体伝熱 / 沸騰熱伝達 / マイクロチャネル / 冷媒 |
Research Abstract |
本年度は本研究の目的である極細クライオプローブを用いた微小凍結手術の実現のために1.極細クライオプローブの性能予測と設計手法の検討,2.実用化に向けた冷媒循環システムの開発と評価を行った.また,極細クライオプローブ内の相変化伝熱の基礎的知見を得るため,マイクロチャネル内の相変化伝熱の基礎理論の構築も行った. 1.極細クライオプローブの性能予測と設計手法の検討 本研究で考案された極細クライオプローブ内の冷媒の状態変化の計算プログラムを利用し,クライオプローブを構成する管の径および長さと冷媒の状態量の関係を導き,冷却性能の最適化を行った.また,3種類のクライオプローブを製作し,計算プログラムの妥当性を評価し,断熱状態でのクライオプローブ温度を予測できることを示した. 2.実用化に向けた冷媒循環システムの開発と評価 冷媒に利用した代替フロンの排出を抑えるため,冷媒を繰り返し利用できるシステムを構築し,極細クライオプローブへ応用した.このシステムの特徴は,ポンプなどの動力を利用することなく,液体窒素で冷却したタンクを凝縮器として用いた.また,凍結領域を制御するためのバルブの操作方法を新たに考案した. 3.マイクロチャネル内の相変化伝熱の基礎理論の構築 エネルギー保存則に基づき,マイクロチャネル内での気泡の膨張過程を理論的に計算した.その際に核沸騰開始条件との比較を行うことにより,核沸騰限界熱流束以上の熱流束下でも蒸発伝熱による冷却が可能なマイクロチャネル径が存在することを示した.
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