2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07402
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
秋谷 直矩 Rikkyo University, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高齢者介護 / デイケア / エスノメソドロジー / 相互行為分析 |
Research Abstract |
本研究は、高齢社会に突入した現代的課題である「高齢者介護」を多面的に支援するという目標のもと、現状の高齢者介護がいかなるワークのもとに組織化されているか、ということをエスノメソドロジー的エスノグラフィーによって明らかにすることが目的であった。本年度は、その目的に沿って前年度までに行われた調査成果の公表に務めた。 まず、デイケアにおける介護者と被介護者の身体配置の関係についてのデータに基づいて工学的な支援案をまとめ、4月に国際学会であるCHI(computer-human interaction:コンピュータと人の相互行為)においてポスター発表を行った。こちらのポスター発表では、人の作業を支援するためのロボットは、複数人が共在する空間において、特定の参与者とコミュニケーションを組織することの困難さを指摘した。そのうえで、解決案のひとつとして、人間の目と身体に模したパーツを人々のことばや振る舞いとうまく同期させることにより、複数人が共在する空間において、特定の参与者とコミュニケーションチャンネルを組織することができると提案した。また、本研究を遂行するうえで副次的に見出された、リサーチャーである社会学者と、社会学者が提供する様々なデータから支援策を提案する他領域の研究者との共同作業の利点と問題点について、6月に関東社会学会で発表を行った。領域横断的な研究を行う際、それぞれの作業の進め方や、用いることば、ゴールの設定の仕方などの相違点を明確化することの重要性を、実例を示しつつ整理した。 なお、前年度に「高齢者介護施設におけるコミュニケーションチャンネル確立過程の分析と支援システムの提案」とタイトルでまとめた論文が情報処理学会論文誌に掲載されたが、当該論文は平成21年度情報処理学会において論文賞を受賞し、高い評価を受けている。
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Research Products
(2 results)