2010 Fiscal Year Annual Research Report
「ペプチドタグ-小分子プローブ」ペアを利用したタンパク質共有結合ラベル化法の開発
Project/Area Number |
08J07444
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤島 祥平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アフィニティーラベル / アシル転移反応 / 内在性タンパク質 / 化学修飾 |
Research Abstract |
短鎖のペプチドタグと小分子プローブとの相互作用により誘起される「タグ-プローブ」ペア間の求核置換反応によって、標的のタンパク質を不可逆的に共有結合ラベル化する手法の開発を行っている。本年度は上記の研究で設計した、タンパク質を修飾するための新しい反応部位を用いて、標的の内在性タンパク質に機能性分子のみを選択的に化学修飾する手法の開発に取り組んだ。具体的には、標的タンパク質に対するリガンド分子とプローブ分子を高反応性のアシル基で連結したラベル化剤と呼ばれる分子を用いる。このリガンドと標的タンパク質との選択的相互作用により誘起されるタンパク質上でのアシル転移反応により、プローブ分子のみをタンパク質上へ修飾する手法を考案した。本手法を実現するため、水中でも安定で、タンパク質上のアミノ酸と反応し得るアシル基の設計に取り組んだ、当初は反応基としてアシルイミダゾールに着目したが、活性が高すぎて水中で速やかに加水分解されることが強く懸念された。そこで、アシルイミダゾールのカルボニルα位酸素原子に変換してカルボニル炭素の求電子性を適度に抑制した反応基を新たに設計し、これを用いた各種タンパク質に対するラベル化剤を合成して、内在性タンパク質の標識に用いてきた。その結果、生細胞の表層および内部に内在する標的タンパク質の機能を保持したまま修飾可能であることが見出された。今後は彼が開発したタンパク質修飾法により、薬物刺激に伴うタンパク質の局在変化の追跡や、生理活性物質を簡便に検出できるバイオセンサーの構築を実現することが期待される。
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Research Products
(4 results)