2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07466
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土方 優 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 結晶表面工学 / 表面修飾 / 多孔性金属錯体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多孔性金属錯体における表面修飾による表面性質の変換・機能発現、及び新しい錯体化学の構築である。結晶表面に存在する化学種(置換基、金属イオン)に対し修飾分子との化学結合を形成することで表面性質の改質が行え、その表面性質の変換による機能変換及び多重機能化が行える。表面修飾のためには、表面に存在する化学種同定および表面状態の詳細な把握が必要であり、把握しやすい構造としてナフタレンジカルボン酸、亜鉛、及びピリジンによる層状構造の構築に成功した。また、同様にナフタレンジカルボン酸、亜鉛、及びルチジンによる類似構造の構築にも成功した。 これら二つの構造はナフタレンジカルボン酸と亜鉛からなる2次元の層状構造に対して、ピラー配位子としてピリジンもしくはルチジンが配位した構造であり、3次元構造を有する結晶表面に対しても同様にピリジン環による配位結合の形成、つまり表面の修飾が可能であることが示唆された。 さらに、ピリジンに対しメチル基を導入した構造であるルチジンでも同様の層状構造が得られたことから、ピリジン環に様々な置換基を導入したピリジン誘導体分子を修飾分子として導入することも可能であると考えられる。これは、望みの機能部位を有するピリジン環を、結晶表面に導入可能であるということを意味しており、今後の表面修飾における分子設計に非常に有用な成果が得られた。 また単結晶構造解析が行えたことから、ピリジン環が一様に存在しているおり、配位結合による一様な修飾も可能であることが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)