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2008 Fiscal Year Annual Research Report

確率過程量子化に見る現代物理学における時間概念のコペルニクス的転回

Research Project

Project/Area Number 08J07510
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

高村 友也  Keio University, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords量子力学の哲学 / 確率過程 / 確率の哲学 / 多世界解釈
Research Abstract

確率過程による量子力学の定式化を正当化し、微視的世界の実在を保証するために、確率過程量子化において用いられている時間反転対称性の概念的基盤の構築を行った。量子力学解釈において最重要課題である位相関数の存在についての、時間反転対称性によるアプローチ。特に、時間区間を固定する確率変分学を、古典的最小作用則のような閉じた時間での運動という考え方と対応付けて概念的正当化する試み。またそれによる哲学的含意として、まず、物理的な時間の向きの消失、逆向き因果等が考えられるが、人間の記憶・予測・行為・自由と関わってくるために詳細は持ち越し。今一つの哲学的含意は、確率概念に関するもので、これまでの人間の無知の数量化としての主観的確率から、物理法則としての客観的確率への変化の必要性。客観的確率概念によって初めて過去と未来の全ての可能性が現在の在り方(特に遷移確率)に影響していることを正当化できる。それは逆に、これまでの確率論・確率過程論の体系が、主観的確率を基盤に構成されてきたものであることを論証することになる。客観的確率に関する更なる詳細な考え方としては、ポパーの傾向性解釈と、エヴェレットやドウィットの多世界解釈が挙げられる。どちらが正しいかは、現在の遷移確率が存在するのか、あるいは存在するとしたらどの時点で定まるのかに依存すると予想される。また、スピノルなどの簡単な離散量子系において遷移確率を求める手続きを示すことは、概念的正当化へのアプローチの手段として意義のあることと考えられる。これらが二年度目の中心課題となる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2009

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Popper の傾向性解釈-その欠点と現代的意義-2009

    • Author(s)
      高村友也
    • Journal Title

      哲学(三田哲学会) 122

      Pages: 1-16

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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